「まっとうな経済学」 ティム・ハーフォード 7

(ゲーム理論に関する説明。省略)

ゲームの前提

ゲームをモデル化するには前提を単純化する必要がある。
間違った前提を用いた場合、間違った問題への完璧な解が導きだされる。

プレイヤーが理解できない程複雑になると、プレイヤーがどう動くかはゲーム理論からは予想がつかなくなる。

3G免許

イギリス政府は3G免許を最も有効に活用しうる企業に売却して財源にしたいと考えていた。と、同時に「官僚にとってお、政治家にとっても、厄介な問題が起こらないようにすること」が重要だった。政治家が恣意的に利益を誘導しないように、競売理論家は入札方式を養護する必要があった。

クレンペラーとジェレミー・ビューローは「入札を利用すると調達金額が実際に増える」「入札を成功させるためには、真剣な入札者が数多く参加する必要がある」事を論文で示した。

イギリス政府は真剣な入札者を確保することに全力をつくした。

  • 五千万ポンドの保証金(後に1億ポンドに引き上げ)
  • 遠隔地からの電子入札システム
  • 一年前からの告示

入札設計チームは細部までこだわった。

  • コンピュータによるシミレーション
  • 学生による実験
  • 入札の注意事項の入念なチェック
  • 疑わしい事が起きているように感じられる場合には入札を延期するという選択肢の用意

入札は30分前後の短いラウンドにわけて行う。入札者は3回までパスできる。各ラウンドごとに結果をインターネットで公表し、全世界規模での入札にする。

入札金額は二十億〜三十億ポンドだと推測されていた。
約25ラウンドが終了した時点で4億ポンドとなり、55ラウンドが終了した時点で30億ポンドとなり政府の希望調達金額に達した。最終的に入札総額は225億ポンドとなった。