「まっとうな経済学」 ティム・ハーフォード 9

貿易

(比較優位の話、省略)

貿易障壁は、取引する両国の国民の効用を悪化させる。

貿易の影響で、国内の雇用がすべて奪われることは絶対にない。

輸入禁止は輸出禁止と同じである。輸入税と輸出税は同じ効果を表す(ラーナーの定理)

貿易は国内経済のバランスは変える事がある。

貿易は技術と同じである。デビッド・フリードマン「自動車を生産する方法は二つある。一つはデトロイトで生産すること、一つは、アイオワで育てることだ。アイオワで育てた小麦を船に載せ太平洋に送り出すと、ある技術によって船は車を載せて戻ってくる。この技術を日本と言う。」この場合、競争しているのはアイオワの農家とデトロイトの労働者である。

1993年から2002年にかけて、アメリカでは約3億1000万人が失業し、3億2700万人の雇用が創出された。貿易が行われていようがいまいが、健全な経済では絶え間なく失業が発生し、それと同時に雇用も創出される。

グローバル化は悪か

話題を絞る

対外直接投資

貧しい国への投資の多くは、豊かな国に還流する財の生産を目的としている。しかし、外国投資は経済成長を促進させる。貧しい国にとって希少な資金を投じる必要なく、雇用を創出し、最先端の技術を学ぶすぐれた方法である、

貿易も投資も豊かな国同士でほとんどが行なわれている。オフショアがもてはやされているが、貧しい国とはほとんど貿易を行っていない。外国投資も同様である。

環境破壊に繋がるという懸念
  • 企業が環境コストが少くてすむ環境法のある貧しい国で生産しようとする
    • 殆どの貿易と投資は豊かな国どうしで行なわれている
    • 技術が優れていれば、環境負荷は小さくなる。アメリカの法律では典型的な企業で環境対策に収益の2%しか必要ではない
    • 世界中で違う工場を作るのは無理があるのでコストがかかる。
    • また企業は雇用者や労働者を満足させるために環境を基準を定める可能性もある。
    • 実際には汚染産業向け投資は豊かな国へ、クリーン産業向け投資は貧しい国へ行なわれている
    • 貧しい国への投資の6割を占める中国ブラジルメキシコの3国では環境は実際に改善している。
  • 物理的に財を移動させれば資源が消費され環境が悪化する
    • 外部性課金を使えばよい。
    • 実際には大阪湾〜ロサンゼルスの財一つ辺りの輸送の環境費用は、市内間のそれを下回る。
  • 貿易は経済成長を促進し地球を傷つける
    • 不衛生な飲料水や薪ストーブなど、貧しいが故に環境問題で大勢の人が死んでいる
    • 国民1人辺りの所得が5000ドルあたりになると汚染は減少する(メキシコなど)