ヤバイ経済学 スティーブンレヴィット スティーブンダブナー 1

経済学はインセンティブの学問であり、インセンティブさえあれば何でも解決できる。

インセンティブには基本的に三つある。

  • 経済的
  • 社会的
  • 道徳的

統計からいろんなことがわかる。

  • シカゴの統一テストでは5%の教師がインチキをしていた。
  • 相撲では八百長が普通に行なわれている。死んだ元力士の証言通り、八百長を絶対にやらないとされた力士については統計的に不自然な所はなかった。
  • 人は天候が良いと正直になる。仕事が好きなら職場は正直になる。会社での地位の高い人は低い人より正直でない。いっぱんに87%は正直である。

家を不動産業者を通して売ると、値段は下がる。不動産の値段と比べると不動産業者の貰う手数料はわずかなため、家主ほど必死に値段をつりあげようとせず、手早く取引をまとめようとする。

不動産広告で使われる表現
正の相関(目に見えたり具体的)

  • 御影石
  • 最先端技術
  • コーリアンの
  • カエデ材の
  • 料理好きに最適

負の相関(漠然としている)

  • 最高
  • 広々
  • 素敵
  • 環境良好

インターネットは不動産業者と消費者の間の情報の非対称性を縮めた。

ウェーケストリンクを調べてわかったこと

  • ヒスパニックは情報に基づく差別を受ける。(馬鹿だと思われている)
  • 年寄りは選好による差別を受ける。(有利不利に関係なく脱落させられる)


出会い系サイトでのプロフィールの平均を取ると、平均よりずっと金持ちで、背が高く、痩せていて、ルックスもよかった。
男性も女性も平均より3センチ身長が高く女性は平均より10キロ軽い。
写真を載せる人は、写真を載せない人の4倍のメールがくる。
稼ぎが少ない、学がない、仕事がつまらない、あまり魅力的でない小太りでハゲな男性ですら、年収20万で死ぬほどハンサムだが写真を載せない人よりメールがくる。
男性の57%には1通もメールがこない。23%には1つのレスもつかない。
長期的な関係を持ちたい男性、割り切りな関係を望む女性がうまくいく。
男性にとって女性のルックスは大事で、女性にとって男性の収入は重要だが、男性は稼がない女性も稼ぎすぎる女性も嫌がる。男性は学生、アーティスト、ミュージシャン、獣医、セレブとデートしたがる(秘書、無職、軍人、警官は避ける)女性は軍人、警官、消防士、弁護士、金融関係が好きだ。

ヤクの売人の殆どは最低賃金以下の稼ぎであり、4年で4人に1人は殺される。ごく一部は凄く儲かるのでそれを目指している。


アメリカにおける急激な犯罪の減少に効果があったもの

  • 警官の増員が10%(割れ窓理論は役に立ってない。)
  • 刑罰の強化が1/3(死刑は滅多に実行されないので抑止力はあるにしても小さい)
  • 中絶の合法化(中絶された子供が生を受けると平均的な子供と比べて貧乏な生活を送る可能性は50%高く、片親だけで育つ可能性は60%高かった。片親の家庭では子供の犯罪の可能性は2倍になり、母親がティーンエイジャーの場合もそう。母親の教育水準が低い場合も子は犯罪者になりやすい_)