「完全独習 統計学入門」 小島寛之 7

統計量W

統計量Wは以下のように定義される。

W = {(標本)-(標本平均)}の2乗÷(母分散)の和
 = \frac{(x_1-\bar{x})^2}{\sigma ^ 2} + \frac{(x_2-\bar{x})^2}{\sigma ^ 2} + \cdots + \frac{(x_n-\bar{x})^2}{\sigma ^ 2}

標本分散s^2と統計量Wの関係

s^2 = W \frac{\sigma ^2}{n}
W = s^2 \frac{n}{\sigma ^2}

一般正規母集団からカイ2乗分布するWの作り方

母平均μ、母標準偏差σの正規母集団からn個の標本x_1,x_2,\cdots,x_nを観測し

W = {(標本)-(標本平均)}の2乗÷(母分散)の和
 = \frac{(x_1-\bar{x})^2}{\sigma ^ 2} + \frac{(x_2-\bar{x})^2}{\sigma ^ 2} + \cdots + \frac{(x_n-\bar{x})^2}{\sigma ^ 2}
を作ると、Wは自由度(n-1)のカイ2乗分布に従う統計量になる。

一般正規母集団の標本分散からのカイ2乗分布するWの作り方

母平均μ、母標準偏差σの正規母集団からn個の標本を観測し計算した標本分散をs^2とするとき
W=標本分散s^2×(データ数n)÷(母分散σ^2)
を作ると、Wは自由度(n-1)のカイ二乗分布に従う統計量となる。

母平均が未知の正規母集団の母分散を区間推定する方法

  1. n個の観測されたデータからまず標本平均\bar{x|を計算する。次にそれを使って偏差を作り、その二乗和をnで割って標本分散s^2を計算する。
  2. 標本分散s^2にnをかけて母分散\sigma^2で割って統計量Wを作る
  3. 自由度(n-1)の95%予言的中区間を調べる。
  4. Wがその区間に入るような\sigma^2を残し、入らないような\sigma^2を棄却して、母分散\sigma^2の95%信頼区間を求める。