「完全独習 統計学入門」 小島寛之 8

母平均μと標本からの統計量Tの計算

母平均μの正規母集団からのn個の標本に対する標本平均を\bar{x}とし標本標準偏差をsとすると、これらから計算されるT=\frac{(\bar{x}-\mu)\sqrt{n-1}}{s}=(標本平均-母平均)/(標本標準偏差) * √自由度 は自由度(n-1)のt分布に従う。

t分布ははっきり相対度数がわかっている分布である。ほとんど正規分布と同じような形状をしているが、正規分布よりはやや緩い山形である。すなわち、頂上がやや低く、裾野はやや高い。

t分布を利用した正規母集団の母平均の推定方法

  1. 得られたn個の標本から、標本平均\bar{x}標本標準偏差sを計算する.
  2. 標本平均\bar{x}標本標準偏差sと推定したい母平均μを使って、自由度 n-1のt分布に従う統計量Tを次のように計算する。T=\frac{(\bar{x}-\mu)\sqrt{n-1}}{s}
  3. 自由度n-1の95%予言的中区間を調べ -a≦T≦aという予言区間を作る。
  4. -a \le \frac{(\bar{x}-\mu)\sqrt{n-1}}{s} \le aをμについて解けば、それが95%信頼区間となる。