ミクロ経済学 戦略的アプローチ 梶井厚志 松井彰彦 4,交渉ゲーム
経済的価値創造
余剰の源泉
- 生産
- 取引
- 効率化(無駄を無くす)
最後通帳ゲーム
まずAがシェアx1(0〜1)をオファーする。Bは受諾か拒否を選択でき、拒否すると両者の取り分はともに0になる。
このときBは、拒否して自分の取り分が0になるよりはマシなので、相手がどんなオファーをしてきても受諾する。相手が1をオファーしてきたときですら、受諾しても拒否しても取り分は変わらないので拒否する意味はない。
よってバックワードインダクションの解は(x1=1,どのようなx1でも受諾)になる。
2段階交渉
まずBがx2をオファーする。
- Aが受諾したらA,Bの取り分は(x2,1 - x2)となり終了。
- Aが受諾しなかったら、何らかの原因で全体の取り分は減少してδになる。そしてAがx1をオファーする。
- これをBが受諾したらA,Bの取り分は(δx1,δ(1-x1))となり終了
- これをBが拒否したらA,Bの取り分は(0,0)となり終了
バックワードインダクションで考えていく。第2段階のサブゲームは最後通帳ゲームと同じなので、Aが独り占めしてしまう。しかし取り分の全体が減少しているため、このときAがδ、Bが0となる。
第2段階にもつれこんだらどうなるかが分かったため、展開図を書き直す。
Aは
- x2 < δのとき拒否
- x2 = δのとき拒否か承諾(簡単のため、承諾してくれるとする)
- x2 > δのとき承諾
する。
Bは取り分を大くしたいが、Aに拒否されると第2段階にもつれこみ取り分が0になるので、δをオファーする。
「Aの取り分はδ、Bの取り分は1-δ」がバックワードインダクションの解となる。