ミクロ経済学戦略的アプローチ梶井厚志松井彰彦 5,情報とゲーム 3

資格を加味したゲームを考える。

つまり労働者の能力が高い場合、労働者が資格を取らない場合は、先程のゲームと利得に変化はないとする。

企業が、資格なし(右の情報集合)には低給、資格あり(左の情報集合)には高給としたとする。

このとき

能力があれば資格を取り、そうでなければ資格をとらないの最適な反応(のひとつ)となる。

その戦略を踏まえると「資格取得あり」の情報集合においては、能力高となる確率を1と見積り、「資格取得なし」の情報集合では、能力低の確率を1だと見積るのは合理的である。

この信念において
「資格取得あり」の人間に

なので高給を払うのが最善

「資格取得なし」の人間に

なので低給を払うのが最善

結果、最初に仮定した戦略の組は、均衡戦略だと分かった。

図示するとこうなる。これは分離型均衡である。

企業は先程と同じ戦略を取るが、労働者は自分の能力に関係なく資格取得という行動を取るとする。(低能力労働者は資格をとってもとらなくても利得はかわらなかったので、これも企業に対する最適な反応になっている)

資格取得側の情報集合では、もはや資格で能力は判別できないので合理的な見積りは1/2である。

この信念において
「資格取得あり」の人間に

なので高給を払うのは最適反応の一つ

これもまた均衡になっている。これは混在型均衡である。