ミクロ経済学 戦略的アプローチ 梶井厚志 松井彰彦 6オークション 3
入札最低価格と最適オークション
「商品が必ず売られるという前提」の無い場合を考える。
商品が売り手にとって価値がないのならば捨て値でも売れた方が得だから、商品は必ず売られるように思える。しかし、実際には最低入札価格を設定し、売れなければ捨てた方が得になる。
評価額が、最低入札価格よりちょっとだけ上だとしたら、評価額の半分を入札したりはしない。そうすると最低入札価格を下回ってしまうので利得は0になる。最低入札価格を入札すれば、それと比べれば評価額ー最低入札価格の利得は少しだけあるので、そっちの方がよい。
このように、最低入札価格を設定することで、高めの入札価格を書くことが想像される。最低入札価格を高くしすぎて全ての人の評価額を越えてしまうと商品を捨てるはめになるのでよくない。
補論2の議論より、最低入札価格がa(0≤a<1のときの買い手iの均衡戦略は次のようになる。
- もしならば、入札金額は0,
- もしならば、入札金額は
相加平均 ≥ 相乗平均より
となるので、最低入札価格を必ず上まわる。
補論2の議論より、売り手の期待収益はで、これが最大になるのはのときで、最大値はとなる。
期待収益は最低価格を設定することでから25%も増加している。
売れなかった後にもういちどオークションをしてはならない。そうすると、それを見越して低い入札額になる。それを考えると、売り損ねると余剰が0になるので、経済的効率性からは関心できない。